<Perfetto>で明石から神戸まで、気楽な日帰りツーリング
- Takashi Kuwahara
- 1 日前
- 読了時間: 8分
ー男心と春の空ー

桜吹雪が舞う季節は、自転車で走るのに最高の時期かもしれませんね。梅雨の雨はもちろんのこと、初夏の陽気とは裏腹に連日30度を超える日も珍しくない日本の夏。真夏に至っては、テレビでも屋外での活動を避けるようにと呼びかけられるほどです。
キャンプの計画は、いつも天気予報とにらめっこしながら目的地やルートを決めるのですが、どうやら週末の日曜日は全国的に雨の予報……。撤収時に雨に降られることを考えると、さすがに出かける気にはなれません。しかし、土曜日だけは天気が良さそうです。
そうなれば、ここは潔く日帰りで行くことにしましょう!当然、荷物も少なく、キャンプ場やホテルの心配もいらないとなれば、考えるべきはルート選びだけです。さて、一体どこへ行きましょうか?これがまた悩ましいんですよね。
ーGo West(何回目?)ー
いつものようにGoogle マップを「どこに行こうかな?」とぼんやり眺めていると、先日仕事で行った「倉敷」の文字が目に留まりました。仕事ではのんびり見て回れなかったので、良いかもしれないと思いましたが、電車で往復するにしても結構時間がかかりそうです。それに、ゆっくりと泊まりで行きたい気持ちもあります。
そうなると、その手前の赤穂や相生は以前行ったことがあるな……などと思いながら地図を見ていると、「明石城跡」の文字が。「あれ、明石は前回素通りしたからちゃんと見ていないし、城跡があったなんて知らなかったぞ」。というわけで、目的地は「明石」に決定!
調べてみると、「播磨サイクリングロード」というものがあり、神戸まで行けるらしい。「おお、良いじゃないか!」ルートは基本的に瀬戸内海沿いのサイクリングロードを使えば、のんびりとサイクリングを楽しめそうです。
ー近鉄から山陽電鉄へー
朝6時半過ぎに自宅を出発し、近鉄学園前駅を目指します。10kmほどの距離ですが、乗り換えなしで尼崎まで行けるのは輪行にとってありがたいですね。尼崎からは、一本の電車で山陽明石駅まで向かいます。そういえば前回は、国道2号線を西に向かって走ったことを思い出しました。
今回の愛車<Perfetto>はMTB仕様で、ブロックタイヤにKS製のドロッパーシートポスト付きです。正直なところ、街中を走るにはあまり向いていませんが、のんびりと散策するには、このようなセットアップも悪くないかもしれません。なにしろ、ストップ&ゴーが多いですから。
そうこうしているうちに、ほどなくして明石駅に到着しました。駅前で自転車を組み立てて走り出すと、あっという間に「明石城跡」に到着です。今は兵庫県立明石公園になっているのですね。球場では野球の試合が行われていますが、高校野球でしょうか?甲子園はもう終わったはずですが……。
ー天守閣が建てられなかった?ー
公園内を散策し、とりあえずはお城のメインである本丸跡を目指します。跡地に到着して案内板を読むと、なんと天守閣は最初から存在しなかったとのこと。お城なのにそんなことがあるのかと驚くと同時に、「何をもって『城』というのだろう?」「『城』の定義って何だろう?」という新たな疑問が湧き上がってきました。
そして、明石城跡のすぐ近くにあった「明石市立文化博物館」へ立ち寄ってみることにしました。
入ってすぐに象の標本が展示されており、そこに書かれている文章を読むと、なんと昔は「アカシゾウ」と呼ばれる象がいて、多数の骨も発見されているとのこと。日本に象がいたこと自体、そしてそれがまさか明石にいたとは全く知りませんでした。
その他の展示品も、縄文時代や弥生時代から戦国時代、果ては日本で一番有名かもしれない大剣豪「宮本武蔵」に縁のあるお寺もあると書いてるから驚きです。いや〜、こんなに楽しいのに、入館料200円とは良心的すぎます!
ー日本標準時子午線ー

明石は、日本標準時である東経135度の「日本標準時子午線」が通る街として知られています。そして、その「日本標準時子午線」の上に建てられているのが「明石市立天文科学館」です。新幹線からも見えますし、学校の授業で習ったことがある人も多いのではないでしょうか。
入館料を支払っている際に、「次回のプラネタリウムは11時10分からですので、11時頃に2階の入り口へお越しくださいね」と案内され、「そういえばプラネタリウムがあるって書いてあったな」とすっかり忘れていたことを思い出しました。開演まで45分ほど時間があるので、まずは14階の展望室へ上がり、遠くに見える明石海峡大橋を眺めたり、3階の展示室で時間を潰すことに……というか、実際には展示室の方がずっと面白かったです。宇宙の始まりや隕石の説明、時計の発明、そして様々な種類の時計の展示など、興味深い内容ばかりで時間が少し足りませんでした。
プラネタリウムは子供向けのプログラムだったようで、お姉さんのハキハキとした語り口と、子供たちの素朴な受け答えを聞いていると、なんだか心が温まり、ついつい少し眠ってしまいました。朝5時半起きだったから仕方ないかもしれません。
ー明石焼きなのか、玉子焼きなのか?ー
さてさて、プラネタリウムが終わったのが12時過ぎ。朝食を抜いている私のお腹は、すでに限界を迎えています。そうなれば当然、地元の美味しいお店に行くのが鉄則でしょう。やはり明石といえば「明石焼き」ですよね。老舗として有名な「玉子焼 本家 きむらや」さんには前回行ったので、今回は別のお店を探してみます。ネットで調べると、人気観光地の「魚の棚商店街」にあったようですが、今は移転して少し離れた場所で営業している「明石焼き 今中」さんへ行ってみようと思います。
駅前を通る際に少し見た「魚の棚商店街」は、大勢の観光客で賑わっていました……。それを横目に「明石焼き 今中」さんを目指します。途中には、同じく名店の「ふなまち」さんも大行列ができています。歩くと結構な距離ですが、こういう時に自転車があると本当に便利だな〜と思いながら、「あれ、もしかして『明石焼き 今中』さんも行列だったらどうしよう?」と、急に不安が頭をよぎりました。
お店に到着すると、ラッキーなことにすぐに席に案内されました。メニューを見てみると、潔く「玉子焼・16個入り」しかありません。当然、それを注文するのですが、地元の人は「玉子焼」と呼ぶのに対し、私たち県外の人間は「明石焼き」と呼びます。今度その違いを調べてみようかな、などと考えていると、カウンターから大将が焼きたての「玉子焼」を渡してくれました。
さて、お出汁に浸けていただくか、塩でいただくか、柚子七味でいただくか、七味でいただくか……。まあ、結論としてはどれもメチャクチャ美味しい!お腹も満たされて大満足です。次回の明石訪問でも、また「今中」さんに行こうかな。
ー世界一じゃなくなってたの?!ー

「明石海峡大橋」といえば、つい先日までは世界一の吊り橋だったらしいです。2022年に別の橋に抜かれたそうですが、実物はそんなことはどうでもよくなるくらいデカイです!
そういえば、サイクリングルートがあるというのでそれを走ろうと思っていたのですが、案内がはっきりせず、結局海岸線の遊歩道のようなルートを走ることにしました。目的地の「明石海峡大橋」はどこからでも見えるので問題ありませんし、珍しく向かい風でもないので快適です。
「明石海峡大橋」に到着すると、そこそこの数の観光客がいました。そういえば前回、糸島へ行くフェリーから見えるはずだったのですが、台風が来て外に出られず見ることができなかったので、今回は真下から見上げることができて、なんだか少し嬉しい気持ちになりました。
ー鉄人28号ー

「明石海峡大橋」を後に、東へとペダルを漕ぎ出します。「今中」でいただいた「玉子焼」は朝食代わりだったので、やはりお昼ご飯が必要ですね。そこで、垂水にある「垂水漁港食堂」を目指すことに。まあ、2キロほどしか離れていないので、すぐに到着したのですが、何やらものすごい行列ができています。どうやら、新鮮な魚介類が安く買えるため、皆さん並んでいるようです。私はお腹が満たされれば良いので、食堂がある2階へ上がってみると、なんと30人ほどが順番待ち。「あ〜、これはちょっと厳しいな……」とすぐに判断し、目的地を神戸へと変更しました。
神戸へ向かう途中、お世話になっている自転車店さんに顔を出しに行くと、見慣れた顔がありました。どうやら試乗会を開催されていたようで、「ご苦労様です」と声をかけると、奥からお店のお母さんが出てきて、「丁度良かったわ。お弁当食べていき。お茶もあるから」と、関係のない私までなぜかお弁当をご馳走になってしまいました。おかげさまでお腹はすっかり満たされました。本当にご馳走様でした。
自転車店さんから5分もかからず、「鉄人28号」のモニュメントに到着。関西に住む人間として、「阪神淡路大震災」のあの悲惨な状況を知っており、そこから見事に復興を遂げた神戸の街のシンボルであるこのモニュメントには、一度きちんと訪れたいと思っていました。しかし、前回訪れた際は、実は飲み会後の深夜で辺りが真っ暗だったため、よく見ることができなかったのです(笑)。
今回は無事に訪れることができ、愛車<Perfetto>と一緒に写真を撮ることもできたので、これで良しとしましょう。
ー最後にー

最終的な総走行距離は60キロ弱。ロードバイクなどで走るには物足りない距離かもしれませんが、今回はワイドなブロックタイヤを履いたミニベロの<Perfetto>でも、十分に楽しく、美味しく、明石と神戸の街中を散策することができました。
次回のサイクリングでは、明石周辺でキャンプも含めたバイクパッキングツーリングをしてみたいですね。
Comments